先日のアカデミー賞では、ひどい取り違えで一躍話題となった「ラ・ラ・ランド」ですが、映画館で見る予告だとすごい楽しい映画っぽかったんですよね。ミュージカル映画(まあミュージカルも、ですが)を嫌う方も多いのですが、俺様ちゃんはミュージカル大好きっこなので問題なし!
で、ネタばれバリバリしたいので例によって60行ほど。
0!
59!
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冒頭から、「シネマスコープ」のロゴとか出て、画面がニューッとシネスコまで伸びます。久しぶりにこんな「映画らしい横長の映画」みたなあ!とわくわくしていたら、もういきなりすごいミュージカルシーンです。結構長いことワンカットで回しているように見えたのですが、実際はつないでいるようですね。
このミュージカルシーンで、もう「うわこれ楽しい映画だ!」となり、とてもわくわくするのです。いいよね、こういう映画。
このミュージカルシーンで、もう「うわこれ楽しい映画だ!」となり、とてもわくわくするのです。いいよね、こういう映画。
そして、このシーンでの色合いがちょっと古い映画っぽいのです。ミュージカル映画がはやったころのような色合い。個人的には、KODAK のフィルムっぽい黄色被り……と思っていたのですが、どうもこの映画、ガチでフィルムを使い、シネスコープ用の機材でとっているらしいです。全編。
それだけでも驚きだったのですが、主人公二人が踊るシーンや歌うシーン、そして綺麗な夜景とかも一発撮りなのか…!と、観終わってパンフ読んで知りまして、「ああ!もういちどみたい!」と思うことしきり。背景がすごいきれいなんですよ。それも時間粘って取ってたみたいなんです米江。あと、おうたも現地での録音のままだそうです。すげえなあ。
それだけでも驚きだったのですが、主人公二人が踊るシーンや歌うシーン、そして綺麗な夜景とかも一発撮りなのか…!と、観終わってパンフ読んで知りまして、「ああ!もういちどみたい!」と思うことしきり。背景がすごいきれいなんですよ。それも時間粘って取ってたみたいなんです米江。あと、おうたも現地での録音のままだそうです。すげえなあ。
思えば、観にいく前に見てしまったメイキング(必見です!)なんですが、このシーン、実際にやられてるところも自然にカメラ振ってて、全然気付かなかったんだよなあ。終わった後に、さっきのシーンもしかして!てなりました。また巻き戻したくw
カメラワークの秀逸さも凄いのですが、さらに衣装。凄いヴィヴィッドな色合いの衣装で出てきたなー、と思うのですが、先の古い画面のような色合いにより、「そういう演出かな」とあまり気にならないのです。しかし、観続けて普通のシーンに行くにしたがい、いつのまにか徐々に色合いが落ち着いてきます。この辺も、見ているときはデジタル処理だと思っていたのですが、フィルムで撮っているので、いちいち衣装がいっぱいあるようです。すごいわ……。
撮影テクニックや衣装、カラリングも凄いです。が、それのみならず、ストーリー面も秀逸でした。まあぶっちゃけ、あらすじはありきたりなものなのですが、合間合間に挟まるミュージカルシーンのため、ずいぶんと面白みが増しています。楽しいシーンではより楽しく、ちょっと滅入るシーンでも歌によって和らげられているような感じでした。そして、いくつも素敵なミュージカルシーンは出て来るのですが、やはり最後のオーディションのシーンのは凄く印象的ですな。
そうそう、このミュージカルシーンに切り替わるところも、実に自然でして。いきなり朗々と歌いだすのではなく、必ずなにかしらの導入があり、ちょっとBGMが派手目になってきたな?と思うとスーッとキーパーソンに光が当たり、それ以外の人はフェードアウト、という感じです。ソロでない場合は、だんだん派手になるBGMとともにダンサーがワーッと来て、大ダンス大会。どちらにしても大変おもしろうございました。
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冒頭の派手なミュージカルシーンを始め、それ以外でも「ミュージカルの部分は」前向きな方向で進んでいるのですが、ドラマ部分はちょっとネガティブな方に行っており、それがまた面白さを引き出していきます。個人的には、セブが「レギュラーな収入のある仕事」として、望まない仕事をしているところの歌詞が、一見凄いポジティブな歌に聞こえて、なおかつ「妥協した人間のあきらめの台詞」みたいに、ちょっと皮肉聞いてて、大変心惹かれましたね。
そう、メインの話の筋としては「夢を追い求める・実現する」というのがあるのです。でも、普通なら「女優になりました!相手はジャズ喫茶も成功させました!そして二人は結婚してハッピーエンド!」みたいな能天気のりで終わりそうなものですが、結末としては「夢はかなえたけど、かつてお互いに励ましあった男女は別れてしまいました」という、観る人の価値観がどこにあるかでハッピーエンドかバッドエンドになる、という感じのもの。俺様ちゃんはハッピーエンドだよなあ、とおもったのですが、どうですかね。
まあでも、最後のほんの少し(本当にほんの少し)の笑みを交わしての別れは、「お前やったな」「お前もな」みたいな感じでいいと思うのです……。
まあでも、最後のほんの少し(本当にほんの少し)の笑みを交わしての別れは、「お前やったな」「お前もな」みたいな感じでいいと思うのです……。
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シネスコ、ということでソフト化されるとご家庭のテレヴィジョンでは、上下トリミングされた狭い画面になると思いますので、みなさま劇場でぜひとも……。