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「沈黙 -サイレンス-」

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今年一本目は、マーティン・スコセッシの「沈黙」。いや、本当は親父様がニュースで知ったかなんかの「この世界の片隅に」を先週観にいっているのですが、「この世界の片隅に」は去年の年末(艦これの前)に観にいっているので……。こうの史代の漫画は大好きで昔から色々買っているのですが、どうもこの映画は原作以上に自分の中で咀嚼できてないので、感想文はペンディング中です。


さて、これの原作は遠藤周作ですが。個人的に遠藤周作というと「狐狸庵先生」とか「怪奇小説集」とか、そういうのばっかり馴染みがあって、キリスト教徒としての遠藤周作はトンと。しかしまあ、「沈黙」は読んでて「うーん……」となる、なんともいえない感じがあったのです。と言うことで早々に観にいってみました。

有名な原作ですが、まあ念のためちょっとだけネタバレ対策。20行くらいで。まあさほどネタバレしないと思いますが……。

-☆-
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19!

-☆-

福岡に住んでいると、ローカルニュースなどでもしょっちゅう目にする「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」申請ですが、ホントにちょっと前までは「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」と言う名前だったので、のんきに「長崎にも世界遺産できればいいねえ」くらいの感じだったし、切支丹への迫害もまあ教科書的知識として知ってはいたのですが、こうして映画として鮮明に描かれると、のんきに思ってただけにちょっとキツいものがありますな。
まあその、当時の世界情勢や幕府の考えを鑑みれば、キリスト教を排除したい、というのは分からんでもないですが、だからといって迫害する、というのはなあ、と思わされる一作です。このあたりはちょっとまだ自分でも落としどころが分かってないので、このあたりで。


映画独自の特筆すべきところと言うと、「沈黙」というタイトルなのに音響面です。とはいえ、BGMらしいBGMはないのですが、環境音をうまく使っていて、実に自然に流しています。おかげで見ているとだんだん音が気にならなくなるのですが、そのせいか、ロドリゴ神父が「転ぶ」シーンの、本当の静寂が実に際立ちます。ここでも、ほんの少しだけ音はなっているのですが、たぶんこれはおうちでは相当なオーディオ環境を整えないとならないんじゃないかなあ。
絵作りが地味(というか、セットっぽさをなくすために極力引きの絵を排除したんではないか、と思うのですが)な分、音響はホントに染み入るものがありました。

そして俳優陣の演技。
海外勢は演技のほうは良く分かりませんが(ほら、台詞回しうまいかどうかとかさ)、日本人勢はまーこりゃ怪演揃い。
イッセー尾形のねちっこくいやらしい演技が目立ちますが、浅野忠信も要所要所でナチュラルに「こいつ糞だな!」みたいに思わせる好演。あと、個人的に意外だったのが、窪塚洋介だよなあ……。弱い人間として、重要な役どころだったのですが、まーよかった。アイキャンフライ、とか言われてた頃に比べるとホント良くなったなあ。
あ。「スター・ウォーズ  フォースの覚醒」でヘタレなダースヴェイダーマニア(ひどいな)を演じた、アダム・ドライバーもでてるよ!やっぱちょっとヘタレ。

-☆-

上映時間がちょっと……いやかなり長めなのと、題材が重いというのもあるので、体調が良いときにしか観れない気がしますが、音のことを考えるとぜひ劇場で。

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