「キングコング 髑髏島の巨神」です。怪獣映画が大好きと言うわけでもなく、特に観にいく予定ではなかったのですが、なんだか評判いいらしいのでちょっと出かけてみましたよ。
結論から言うと、冒頭はちょっとタルい感じがして、あーこりゃ言うほど面白くないパターン……とちょっと不安に思っていたのですが、マアなんといいましょうか、さすが長年にわたって愛され続けてきた「キングコング」。いざ登場したら大変面白かったのでした。ウヒョー、て感じの面白さです。「大怪獣モノ」とは違った、正統派怪獣プロレス。
と言うわけで、ねたばれアリは三十行後。
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29!
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キングコングが出てきたら、とは言いましたが、実際は開幕数分でキングコング登場です。世界観を同じにしているハリウッド版の、2014年の方のゴジラ(日本の都市・ジャンジラとか出るほう)では延々ゴジラが出なかったのですが、こちらはホント早い。そしてやけにデカイしかっこいいのです。
物語冒頭は1944年。第二次大戦で墜落する米軍機と日本のゼロ戦。であった二人がおりゃー、て戦っているところでコングがどーん!
……この冒頭でチラッと出てきただけのシーンが伏線になっていたとは。
……この冒頭でチラッと出てきただけのシーンが伏線になっていたとは。
ここからカットインを多用して物語時間は1973年へ。ちょうど、地球観測衛星(ランドサット)の運用が始まった頃です。なかなかうまい時代ですな。「秘境が人に見つからない」最後の時代ですよ。そして見つかった髑髏島(この名前もどうなの、と思いますが、英語でもSkull Island なのでしょうがないね)への調査の陳情も「ソヴィエトの衛星に見つかる前に」とか言っていて、冷戦時代をうまく使っています。
ですが、マア正直この「同行する兵隊がベトナムからの撤退兵」とか、陳情の所とか、そういう「人間さんチームが集まる」という辺りがどうにもタルい。妙なテロップの演出が入って見づらいんですよねえ。
ですが、マア正直この「同行する兵隊がベトナムからの撤退兵」とか、陳情の所とか、そういう「人間さんチームが集まる」という辺りがどうにもタルい。妙なテロップの演出が入って見づらいんですよねえ。
たるいなか、実際調査チームが集まり、無事に出航。色々伏線めいたものを張っているような意味深シーンも何度かありますが、後で思い返すとあんまり関係なかったですな。ていうか、全体的に人のキャラクターが薄い感じです。サミュエル・L・ジャクソンとSAS あがりの傭兵、ついでにヒロインとムードメーカーの黒人兵くらいですか。「なぜ調査チームをここへ派遣したか」の真の理由を知る、政府機関モナークのリーダーもパッとしない感じですしねえ。
そう。この映画、人の印象や動機付けはあんまり無いんですよ。だって主役は怪獣たちの方だもん。
調査チームがヘリでやってきて、爆弾使って調査開始したら即座にキングコングさん登場ですよ。メッチャ怒ってるしメッチャ強いし、ついでに人間側はとんでもなく間抜けで、次々とヘリは落ちていきます。見てるほうは今までのタルさを解消するゴリラ大アクションに、思わずイエフー!てなりますわ。ナア。
人間側はヘリと武器・その他資源をあっという間に喪い、まあ小さいライフルとか携行装備品だけ。そしてほとんど死んでる上に、ばらばらに墜落したのでただでさえ少ない生存者たちが二チームに分かれます。
が、髑髏島はコング以外にもフレンズ……じゃなくて異形の怪物がようけおります。どったんばったん大騒ぎです。
が、髑髏島はコング以外にもフレンズ……じゃなくて異形の怪物がようけおります。どったんばったん大騒ぎです。
種類自体は少ないのですが、擬態をキめてきてるので、襲われる瞬間までなかなか気付きませんよ。お陰で見てるこっちの方もちょっとドッキリ。いや、怪しいなあ、とは思うのですが…自然ってすごいね(自然じゃない)。
こんな感じで、キャッチコピーの「この島で、人類は最弱」というとおりにもうどったんばったん。たまーに、ちいさーい怪物を倒せたりするんですが、まあ基本的には無理の無理無理です。そんななのに、サミュエル・L・ジャクソンがちょっと「あのゴリラ殺す」に固執して死にまくるんですが。このあたり、なんとなーくでしかサミュエル・L・ジャクソンの、部下を喪ってつらいというのが描写されてないので(一応ちゃんとしてはいる。してはいるんですが……)、ああーこの人らバカなノー??て思いますし、途中で合流した1944年代から生き残ってた米軍兵(冒頭でコングに襲われた人です)が巻き込まれたりしてて、このオジイチャンにはえらい感情移入できるつくりなので「ああーもうサミュエル・L・ジャクソン殺してオジイチャンつれてかえってあげてー!!」」てなります。なりました。コングの次に思い入れのある人物ですね。
で、このオジイチャンが日本兵とともに作り上げたぽんこつ船(エンジンはゼロ戦と米軍機のハイブリッド)で脱出、というよくある流れなのですが、まあサミュエル・L・ジャクソンですよな。「部下を救出する」といいつつコング殺すマンになってしまったこいつのお陰で、いらぬ犠牲といらぬ怪物がじゃかじゃか出ます。すごい。こわい。
結局、最後は部下から裏切られて、コングのグーパンチで死ぬんですが。もうその頃には、いかにしてサミュエル・L・ジャクソンをコングが殺して、あとあのオジイチャン米軍兵をアメリカに帰してあげて!!て思いでいっぱいです。いっぱいなのですが、まあ怪物どもは容赦なくどったんばったん大騒ぎ。ホント人間が関知できないお話だな!
最終的には、コングと因縁のあるでっかい怪物をなんとか倒し(コングが)、なおかつオジイチャンも無事アメリカに帰り、墜落する前の日にうまれたという息子と、奥さんと再会してまして。このあたりで涙腺決壊。
で。
スタッフロールの後、主人公とヒロインが、FBIだかCIAだか、その手のアメリカのひみつな感じの組織にとらわれたときのような尋問(伝われ)を受けています。と思ったら、モナークの助手黒人が出てきて「コングはKINGじゃなくて、まだいっぱいKINGはいたんだよ!!」と。そして、「恐竜めいたなにか」とか、「大きな蛾みたいな何か」とか、「首が三本ある龍みたいな何か」の石版画が!
スタッフロールの後、主人公とヒロインが、FBIだかCIAだか、その手のアメリカのひみつな感じの組織にとらわれたときのような尋問(伝われ)を受けています。と思ったら、モナークの助手黒人が出てきて「コングはKINGじゃなくて、まだいっぱいKINGはいたんだよ!!」と。そして、「恐竜めいたなにか」とか、「大きな蛾みたいな何か」とか、「首が三本ある龍みたいな何か」の石版画が!
……どうみても、ゴジラとモスラとキングギドラです。
やるの!?ホントに「キングコングvs なにか」をハリウッド映画でやるの!?期待していいの!?
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どうも、パンフレットを読むに「ゴジラ対キングコング」は2020年の予定らしいですよ。個人的にはモスラやってほしいですなあー。しかしとんでもないシリーズ始まったもんだな。